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文京区乳癌健診指定
マンモグラフィーは痛いから検診に行かないという方がよくいらっしゃいます。痛い人にとっては涙が出るほど痛いそうです。しかし、マンモグラフィーは一定の圧力以上には圧迫しないように設計されていますから、大部分の方には痛くないはずです。痛い人の方に痛がる理由があるのであって、マンモグラフィーが誰にとっても痛いというわけではありません。
マンモグラフィーは乳房を板状のもので圧迫して平たくして撮影しますが、痛みは乳腺が圧迫される痛みです。脂肪はほとんど痛みません。圧迫されて痛みを強く感じる人は他の人より乳腺の量が多いか、あるいは乳腺症があることが多いようです。20歳代、30歳代の方は乳腺の量が多いので、マンモグラフィーで痛みを感じることが多いのではないでしょうか。
乳腺の量が多い人も乳腺症の人もマンモグラフィーが白っぽく写りますので、マンモグラフィーでは乳がんが写らないことが比較的多いとされています(本文の「マンモグラフィーの弱点」参照)。つまり、マンモグラフィーを痛がる人は、もともとマンモグラフィーだけでは不十分で、超音波検査を併用することが勧められる人です。言い換えると、マンモグラフィーを痛がる人は超音波検査を毎年受けて、マンモグラフィーは時々受ければよいと思います。マンモグラフィーが痛いからという理由で乳がん検診を受けないというのは危険な発想です。
最近メディアの宣伝によってマンモグラフィー検診を知らない人は少なくなりました。このこと自体は大変喜ばしいことですが、「マンモグラフィーでなければ乳がん検診にあらず」というのは言い過ぎです。触診だけの乳がん検診より遙かに有効な検査ですが、マンモグラフィーが全ての乳がんを発見できる完璧な検査と考えるのは全くの勘違いです。20歳代、30歳代のマンモグラフィー検診については有効性自体が証明されておりません。
マンモグラフィーで強い痛みを感じる人は、乳がん検診を諦めたりせず超音波検査中心に変更してください。もともとその方が良いのです。でも、時々は我慢してマンモグラフィーを受けましょう。